意見は聞く。ピンチには手を差し伸べる。感謝があるから、もっと上へ。

奥様の実話難波店店長 唐木さん 

風俗への転職の理由は、大グループならではの“トップダウン体質”

前職では、パチンコ店でホール業務をしていました。

結構大きなグループ店で働いていて、僕自身、仕事もできていた方だと思います。成果が認められて、副主任にまで昇格したぐらいでしたから。

ところが、働いていくうちに大きなグループ特有の企業体質に遭遇しまして……。それで苦労したんです。

例えば、店内の空調。温度設定に決まりがあるんですが、お客様からのクレームがすごいことがあったんです。これは変えたほうが良いと思い、色々と改善案を出したんですけど、全然こっちの話を聞いていただけないんですね。

接客をしている現場のお客様の声なのに、一切聞かないのかと、とても不満でした。上との温度差というのを、強く感じて。

これだったら転職して、自分の意見であったり自分の声が届くような環境で、働きたいと思ったんです。

待遇の良さからここへ。“意見を取り入れる社風”に驚いた

風俗業界に入った決め手は、待遇でした。結婚もしていて子供もいたので、やっぱりそれなりに稼がなきゃいけなくて。

前職の接客経験が生きる職種、家族を養える高収入の業種。掛け合わせた時、この業界が選択肢に入ってきたんです。

ネットで求人を検索をして、このEYEBALLグループのお店と巡り会って……。働き始めた当時のスタッフは、僕も入れて5、6人くらいだったんですが、1番年上の店長初め、皆との距離がすごく近かったのは、ありがたかったですね。

未経験の僕なのに「ここどう?」とか「客観的に見てどう思う?」とか、意見も聞いてくれるようなお店だったんですよ。実際、僕の意見通りに改善してくれたりなんかもして。

例えば、僕が入った当初の待合室って、椅子と灰皿があるだけで、テーブルもなかったんです。しかも、椅子から灰皿までの距離が遠くて。お客様は、吸い殻を落とすのにも一苦労という感じでした。

なので僕、新しく待合室のレイアウト案をつくって、テーブル購入の提案もしたんですよ。そしたら、その意見を通してくれたんです。

早いうちに、前職とは違って「自分の意見を取り入れてくれる」というのを実感できたんで、仕事にも精を出すことができました。2年で主任になれたのかな?

長い休職からの仕事復帰。当時の店長の優しさが染みた

実は僕、一度会社を辞めそうになった時があって……。

家庭内のトラブルで、メンタルをやられちゃったんですね。とても仕事ができる状態ではなかったので、数週間ほどお休みをいただいたんです。

ただ、「そろそろ仕事復帰しようかな」と思った時に、「これだけ迷惑かけたんだから、合わす顔がないな」と、思ってしまって。

ところが当時の店長が「唐木、戻って来てほしい」って言ってくださったんです。怒ったりとかも全然なかったんですよ。むしろご心配いただいて、どうしてこうなったのか、どうしたら続けていけるかまで、一緒に考えてくださったんです。

「わかりました。戻ります」

もうありがたいしかないですよね。主任という役職では、またプライベートと仕事のバランスが取れなくなると思ったんで、お店のみんなにお願いして、一スタッフに戻していただきました。

責任という部分から離れて、一旦ラクにしていただいたんですね。おかげで家庭でコミュニケーションを取る時間も増えて、次第に立ち直った感じです。

たとえ難波や大阪を知らない方でも、思い浮かぶお店に

その後、いろいろありましたが、おかげさまで今では店長として店を任せて頂いています。

接客のうえで常日頃から心掛けているのは、“お客様ファースト”ということ。

例えばイベントのことであったり、先ほどお伝えした待合室のこともですけど、何をしたらお客様が一番喜んでくださるかということを、常に考えています。やはり、お客様からお褒めの言葉をいただいたり、成果が出た瞬間というのは、やりがいを感じますね。

今後の目標は、「やっぱりアバンチュールだよね」と思ってもらえるようなお店にしていくことです。それこそ、難波とか大阪を知らない方でも、難波でお店を探したら、ウチが1番に思い浮かぶぐらいの……。

このためには、お客様1人ひとりに対する接客の質を、もっともっと上げなくてはいけないですよね。いい印象で帰っていただいて、リピートに繋げる。この積み重ねこそが、良いお店の条件だと思うんです。

にぎやかな家庭。仕事の充実。だからこそ、これから

実は僕、子どもが4人いるんです。上は10歳、下はまだ1歳なんですよ。あの日あの時、辞めようとしていた僕を引き留めていただいたおかげで、今のこの、仕事とプライベートの充実があると思っています。

恩返しとは言わないですけど、お店も僕も、まだまだこれから。そんな気持ちでいるんです。